徒然なるままに №245 言葉

 

日本漢字能力検定協会が選んだ今年の漢字は『密』でした。

 

候補の筆頭?にあった『禍』はあまり見たくないという心理が働いたのかもしれません。

 

まぁ無難な選択だった気もしますが、ここ日本に限らず世界中のだれもが未知のウィルスに翻弄されたことが厳然たる事実である事を踏まえれば、ちょっと違うかな?という気がしないでもありません。

 

それはさておき、私的には『軽』だと思っています。

 

真摯 誠実 道義 責任 痛感 丁寧 万全 自粛 要請 etc

 

言葉がこれほどまでに軽んじられた1年はなかったように思うわけです。

 

もっと言えば、この1年に限らず、ここ数年ずっとなんですが。

 

彼の『村上春樹』氏は「言葉が貧しくなった」と表現されています。

 

言ったもの勝ち・声が大きければ正当化される・社会的地位を盾に正当性を主張する・吐いた唾を平気で飲み込む・批判に別の批判で応える

 

もうなんでもありだったような気がします。

 

しかも、言葉の解釈を巡ってあちこちで齟齬(そご)が生じましたし、恣意的(しいてき)に解釈を捻じ曲げられた事も多々ありました。

 

「何をもって虚偽答弁というかは、必ずしも固定した定義が国会の中であるとは承知していない。使われる文脈によって判断される」

 

つい先日行われた、東大出の某官房長官の記者会見での発言です。

 

此処だけ切り取れば、確かにそうかもしれませんが、この発言がなされた状況を鑑みれば、まさに見苦しい呆れた言い訳・詭弁に過ぎません。

 

そういえば、前任の官房長官さまはこんな事をおっしゃっていました。

 

「反社会的勢力の定義は一義的に定まっていない」

 

お子ちゃまならともかく、社会的に重大な責任を負っている方々の無責任な言葉遊びにどれだけ振り回された事でしょう。

 

言葉の持つ意味等、時の流れとともに変わりゆくのも致し方ない部分もありますが、英語教育の重要性を説く前に正しい日本語を習得すべきと思うとともに、日本語の持つ独特の美しさを汚すような言動は厳に謹んでいただきたいと願うばかりです。

 

愛燦燦
(1986年)
小椋佳

 

オヤジK

 

 

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